告示機材のおススメ機器⑤ 電流計

こんにちはデンカンです。

今回は電気管理技術者になる際に必要な告示機材の1つ、電圧計についておススメ機器の紹介をさせていただきます。

告示機材とは?

平成15年経済産業省告示第249号(「電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示」)で定められた、電気管理技術者が保有すべき機械器具類を指します。

告示第249号で定められている主な機器類は、以下の通りです。

  • 絶縁抵抗計
  • 電流計
  • 電圧計
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 接地抵抗計
  • 継電器試験装置
  • 絶縁耐圧試験装置
  • 発電所を受託する場合には、騒音計、振動計、回転計

なお、団体・協会募集要項等では、「継電器試験装置・絶縁耐力試験装置、騒音計、振動計、回転計」は貸与可能なケースもあります。

どの団体に所属するにしても、上の6個(絶縁抵抗計、電流計、電圧計、低圧検電器、高圧検電器、接地抵抗計)が必要になります。

電流計とは?

電流計は名前の通り、電流を測定する機器です。

電線に対して電流計を挟むことで、その電線に流れる電流を測定することができます。

電線を挟むことから、「クランプ」や「クランプメーター」などと呼ばれています。(以下、基本的にクランプと称します)

クランプの中でも種類があり、機器の中でどれだけの機能を持っているかは様々です。

主な機能の種類は以下になります。

  • 微少電流測定機能(漏れ電流測定機能)
  • ローパスフィルタ機能(高周波ノイズ除去機能)
  • I0r測定機能(抵抗分漏れ電流測定機能)
  • DC測定機能(直流電流測定機能)
  • フレキシブル機能
  • 高圧対応測定機能

次に機能の種類について順に説明します。

電流計の機能の種類に関する説明

前項で説明した、電流計の機能の種類について順に説明します。

【微少電流測定機能(漏れ電流測定機能)】

名前の通り微少電流、非常に小さい電流を測定することができる機能です。

具体的には「数mA」の電流も測定できます。

この機能の必要性としては、機械などから意図せずして漏れた電流(漏れ電流)は微少な電流でも非常に危険です。

以下の表は厚生労働省のHPにあります「職場のあんぜんサイト:安全衛生キーワード:感電」から引用しました。

職場のあんぜんサイト:感電[安全衛生キーワード]
感電とは、電気製品や電気設備の不適切な使用、電気工事において何かの原因で人体又は作業機械が送電線に引っ掛かったこと、漏電の発生、及び自然災害である落雷等の要因によって人体に電流が流れ、障害を受けることをいいます。
電流値人体への影響
0.5mA~1mA・最小感知電流、「ピリッと」感じる、人体に危険性はない
5mA・人体に悪影響を及ぼさない最大の許容電流値
・相応の痛みを感じる
10~20mA・離脱の限界(不随意電流)、筋肉の随意運動が不能に
・持続して筋肉の収縮が起こり、握った電線を離すことができなくなる
50mA・疲労、痛み、気絶、人体構造損傷の可能性
・心臓の律動異常の発生、呼吸器系等への影響
・心室細動電流の発生ともいわれ、心肺停止の可能性も
100mA・心室細動の発生、心肺停止、極めて危険な状態に

表のとおり、微少な電流でも人体への影響は大きく、その電流を測定するために備わっている機能です。

【ローパスフィルタ機能(高周波ノイズ除去機能)】

この機能は、低い周波数を通して、高い周波数は減衰(除去)する機能です。

なぜ除去する必要があるかというと、高周波をそのまま通して電流を測定すると、実際に流れる電流より大きい値が測定結果として表示されてしまいます。

その結果、実際の電流とクランプの測定結果が離れるため、クランプの測定結果から判断したことが誤りとなる可能性があります。

この問題を解消する機能として、ローパスフィルタ機能(高周波ノイズ除去機能)があります。

【I0r測定機能(抵抗分漏れ電流測定機能)】

こちらは、静電容量漏れ電流(I0c)を取り除き、抵抗分漏れ電流(I0r)のみを測定することができる機能です。

※「I0c」は「アイゼロシー」と読み、「I0r」は「アイゼロアール」と読みますが、一般的な表記や読みは「Ioc(アイオーシー)」、「Ior(アイオーアール)」となることが多いので、以降はこちらの表記で記載します。

この機能を説明するために、まず通常のクランプの測定から説明します。

通常のクランプの場合、測定方法は「Io方式」と呼ばれています。

これは、「Ioc」と「Ior」を合成した電流を測定しています。

次に「Ioc」、「Ior」について説明します。

「Ioc(静電容量漏れ電流)」はインバータやケーブルなどの静電容量によって発生する「見かけの電流」です。この電流は実際には電荷の移動を伴わず、静電界の変化によるものです。

つまり、電流が流れている訳ではないですが、「流れているように見える電流」という事象です。

「Ior(抵抗分漏れ電流)」は抵抗成分によって流れる電流で、機器の劣化等により発生する電流です。

結論として、「Io方式」は実際には流れていない電流である「Ioc」を合成した電流値を測定結果としているため、「Ior」の数値より大きい値が測定結果として表示されてしまいます。

その結果、実際の電流とクランプの測定結果が離れるため、クランプの測定結果から判断したことが誤りとなる可能性があります。

この問題を解消する機能として、Ior測定機能(抵抗分漏れ電流測定機能)があります。

【DC測定機能(直流電流測定機能)】

名前の通り、直流電流を測定できる機能です。

太陽光発電設備や直流回路を用いる電路の測定に必要な機能です。

【フレキシブル機能】

通常、クランプは洗濯ばさみのように、クランプ毎に決まった大きさまでの太さまでしか電線を挟むことができません。

また、クランプが大きい(大口径)と狭い場所では電線を挟むことが難しくなることがあります。

この問題を解決したものがフレキシブル機能です。

この機能は、挟む形状が紐状になっており、口径の大きさと狭い場所でも使える使い勝手を両立した機能です。

【高圧対応測定機能】

高圧側(6600V)の電路で測定できる機能です。

電流計の機能の種類の必要性について

前項で説明した電流計の機能の種類について、実際の点検にてどれくらい必要かをまとめました。

※個人的主観に基づきます。

微少電流測定機能(漏れ電流測定機能):必須

ローパスフィルタ機能(高周波ノイズ除去機能):ほぼ必須

Ior測定機能(抵抗分漏れ電流測定機能):(価格面を除けば)欲しい

DC測定機能(直流電流測定機能):太陽光発電設備を点検するならあった方が良い

フレキシブル機能:必須ではないが便利

高圧対応測定機能:基本的に必要なし

おススメ機器について

これらを踏まえておススメの機器を紹介しますが、電流計に関しては特に「ピンキリ」になります。

「告示機材として必要な機器」として購入するのであれば安く済みますが、機能性を重視すると価格が跳ね上がります。

また、前項で紹介した機能を全てまとめたクランプはありません。様々な状況に対応するには、複数のクランプを購入する必要があります。

以上のことを踏まえ、付属する機能ごとに分けて紹介します。

おススメ①【対応機能】微少電流測定機能・ローパスフィルタ機能

共立電気計器(KYORITSU):クランプメーター 2433R

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日置電機(HIOKI):ACリーククランプメータ CM4001

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こちらは、点検に必須な機能を持ちつつ、価格が安いモデルです。

価格的には「2433R」の方が安いですが、「CM4001」の独特な形状が分電盤での測定時に役に立つことが多いためおススメ機器に挙げました。

おススメ②【対応機能】微少電流測定機能・ローパスフィルタ機能・Ior測定機能

マルチ計測器(MULTI):IRV非接触Io/Iorクランプリーカー MCL-500IRV

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共立電気計器(KYORITSU):Ior漏電監視ロガー KEW5050

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こちらはIor測定機能も行うことができるリーククランプです。価格を見ていただいて分かる通り、Ior機能のあるなしで値段が大きく異なります。

「KEW5050」はロガー機能(データ蓄積)が可能なため、不定期的に発生する漏電への対応に役立ちます。

おススメ③【対応機能】DC測定機能

日置電機(HIOKI):AC/DCクランプメータ CM4375-50

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「DC対応クランプ」という点で見ればもっと安い機器があります。ですが、「太陽光発電設備の点検」を重視したときにはこちらの機器がおススメです。

「テスター」として電圧計を含む機能も有しており、電圧もオプション込みでDC2000V、電流は1000Aまで対応、ケーブル間に挟みやすい形状で使いやすいです。

クランプの機能面だけで見ればDC対応だけですが、口径が大きく挟みやすい、テスター機能もあり「色々と便利」ということでおススメしました。

おススメ④【対応機能】フレキシブル機能

共立電気計器(KYORITSU):交流電流測定用クランプメータ KEW 2204R

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マルチ計測器(MULTI):フレキシブル漏れ電流計 RLM-10+

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これらの機器はあると便利ではありますが、微少電流測定機能もある「RLM-10+」だと価格が非常に高くなります。余裕があれば検討することをおススメします。

おススメ⑤【対応機能】高圧対応測定機能

マルチ計測器(MULTI):高低圧クランプメーター HCL-3000+

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主な使い道としては、コンデンサへの電流を測定することでコンデンサの異常を判別できます。

ですが、充電中に確認できるメリットであって、何か異常があれば停電を行い確認すれば解決することをも多く、受電中に高圧回路での作業することは感電などの事故を引き起こす危険があるため、機能を持つ中でのおススメとして挙げましたが、購入はあまりおススメしません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

皆様のお役に立てれば幸いです。

ちなみに私は以下のクランプを所持しています。

共立電気計器(KYORITSU):クランプメーター 2433R

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マルチ計測器(MULTI):Io/Iorクランプリーカー MCL-400IR

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共立電気計器(KYORITSU):交流電流測定用クランプメータ KEW 2204R

KEW 2204R|交流電流測定用クランプメータ|製品情報|共立電気計器株式会社

クランプは特にいろんな種類、いろんな価格帯のものがあり、どれが自分によって良いかは様々です。

1つ言えることは、「良く知らないメーカーの安いクランプ」では点検に支障が出ます。

最低限でも「おススメ①で紹介した機器以上のスペック」のリーククランプを購入してください。

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